眠っているあいだずっと喉の奥がひりひりと痛んだ。
目覚めたとき身体がやはり熱を持っていたのでサンジはこっそりと部屋から抜け出して、キッチンへ足を運んだ。マグカップを取り出して昨晩残してあった生姜を取り出す。
絞ろうとしたそのときに名を呼ばれたのでびくりとした。
サンジ
サンジが振り向くとウソップが目を擦りながら入ってくる。
ウソップか、早ェな
そう言った声が予想以上に酷かった。殆ど掻き消えている。
ウソップはサンジのすぐそばまで寄って、そしてサンジの手から生姜を奪い取った。ウソップは仕方がないなあというふうに頬を緩ませると、おれがしてやるよ、と言った。
こういうのはな、自分以外の誰かにしてもらったほうが早く治るんだよ
ぼんやりとサンジは、ウソップの手によってマグカップの中で混ぜられた生姜汁とハチミツとお湯が渦巻くのを見た。真正面からウソップを見つめてしまったら、なんだか熱が上がるような気がする。
2009.10.28/生姜湯